
突然ですが、皆さんは次の質問にどう答えますか?
「変化の激しい社会で求められるのは、どんな能力なのか」
・専門知識
・コミュニケーション能力
・哲学
・軍事学
などが挙げられると思います(最後は私の考えです)。
正解がない問題ですが、私を含め多くの人が
「AIが登場しグローバル化が急速に進む世界で、自分に必要とされるのはどんな能力なのか」
と悩んでいることと思います。
本ブログでは、悩める人に役に立つ「おすすめの本」を紹介しています。
ひとえに「役に立つ」と言っても、読み手によって役立つか否かは異なります。
なんせ本を書いた著者によって、役に立ったことは異なっているからです。
そんな人によって答えがバラバラの「役に立つ能力」ですが、
今すぐ手に入れるべきかつ、誰にでも役に立つ能力があります。
それこそ、今回紹介する「マーケット感覚」です。
こんにちは。ドムドムです。
読書と本の収集が趣味の、本が大好きな私が、
「面白い!」
「悩みや疑問と向き合えた!」
「新たな知識の扉が開いた!」
と感動したおすすめの本を紹介します。
紹介するおすすめの本は、
『マーケット感覚を身につけよう』です。
本の概要
・タイトル:マーケット感覚を身につけよう ~「これから何が売れるのか?」分かる人になる5つの方法~
・著者:ちきりん
・ページ数:260ページ
著者は、社会派ブロガー&紀行文筆家として「Chikirinの日記」を運営する”ちきりん”氏です。本書の他にも多数の著作があり『自分の頭で考えよう』は17万部を超えるベストセラーになりました(私は未読なので、読んでみたい本の1冊です)。
冒頭の質問「変化の激しい社会で求められるのは、どんな能力なのか?」に対する、著者の答えこそ、「マーケット感覚」です。
「マーケット感覚」と聞くと、商売をする人や金融市場に関わる人にしか役立たないと思われるかもしれませんが、そうではありません。
「マーケット感覚」は普通の会社員、学者、エンジニア、そして専業主婦までが学び、身につけるべきとされる能力です。これから社会で活躍される、学生にも役に立つ能力です。
そんな誰にでも役に立つ「マーケット感覚」を
・マーケット感覚とは何か
・なぜマーケット感覚が必要なのか
・マーケット感覚を身につけるための方法
以上を中心に紹介します。
マーケット感覚とは何か
マーケットとは?
マーケット感覚という言葉に登場する、「マーケット(市場)」とは何でしょうか?
マーケットまたは市場とは、
・不特定多数の買い手(需要者)と不特定多数の売り手(供給者)が存在する
・買い手と売り手のニーズを満たしてくれる相手とマッチングできる
・価値を交換する場所
以上のことを指します。

マーケットと聞いて、食品や日用品を買うスーパーマーケットを思い浮かべられた方もいると思いますが、ほぼ合っています。
しかし、マーケットの定義はもっと広く
「不特定多数の買い手と売り手が、お互いのニーズを充たしてくれる相手とマッチングし、価値を交換する場所」
であり、スーパーマーケットの他にも、身近にマーケットは存在します。
本書では身近なマーケットを多数紹介されていますが、私にとって以外だった身近に存在するマーケットとして
・就職活動
・婚活
・学校選び
があります。
例えば「就職活動」。

仕事を探している人と、働き手を探している企業が存在し、マッチングすることで、「労働力と賃金という価値を交換」します。
マーケットの定義に合ってますよね。
就職活動もマーケット。これには驚かされました。
私はマーケットと聞いて、「金融市場や株式市場のことかな?」と考え、自分には関係ないと思っていましたが、就職活動もマーケットだったとは。
「不特定多数の買い手と売り手が、お互いのニーズを充たしてくれる相手とマッチングし、価値を交換する場所」
この定義で考えると、人と人が互いに関わるものは、全てマーケットと言えるのではないでしょうか。
同じ会社のある部門と他の部門の関係、部下と上司の関係も、「お互いにニーズがあり、価値を交換する」マーケットと言えるかもしれません。
人と人が関わる全てのものに関わってくる「マーケット感覚」を学ぶのは、金融マンに限らず、誰にとっても役立つものだと実感しました。
マーケットを構成する7つの要素
人と人の関わりであり、すべての人が関わっているマーケット。
自分に役立つ能力にするには、「マーケットが何によって構成されているか」を知る必要があります。
マーケットは何によって構成されているのでしょうか?
本書では、マーケットを構成する要素を7つ挙げています。
- 取引される価値
- 買い手(価値を入手する人)
- 売り手(価値を提供する人)
- 取引条件(価格)
- 買い手と売り手が取引する動機
- それぞれの要素に起こりうる今後の変化
- 市場で選ばれるための方法
1~3は、マーケットの定義に含まれているので、簡単に思い浮かべられると思います。
4~7は、少し難しいですが、マーケットの動きを予測したり、活用したりするときには知っておくべき重要なマーケットの要素です。
大事なのは、
「どんな価値が、誰と誰の間で取引されるのか」を理解できるようにすることです。

就職活動を例にして、マーケットの7つの要素を考えてみましょう。
- 取引される価値:労働力と賃金
- 買い手(価値を入手する人):企業
- 売り手(価値を提供する人):働き手
- 取引条件(価格):労働条件、賃金など
- 買い手と売り手が取引する動機:企業の場合は労働力の確保、働き手の場合は生活のためなど
- それぞれの要素に起こりうる今後の変化:より良い賃金を求めて転職する、業績悪化によるリストラなど
- 市場で選ばれるための方法:企業の場合は他社より賃金が高い・労働環境が良い、働き手の場合は経験がある・他の人にはないスキルを持っているなど
就職活動を例にしましたが、マーケットを考える時は、最初に価値が取引されるイメージを思い浮かべ、その後に1~7の要素に整理するとマーケットの動きがより理解しやすいです。
何気ない生活の一部も、マーケットとして捉え7つの要素に分けて考えてみると、世界の見え方が少し変わるかもしれません。
マーケットを構成する7つの要素はどれも大事ですが、
最も重要なのが取引される価値を理解することです。
本書の中でも、すべては価値から始まる!と断言しています。
マーケット感覚とは「価値を認識する能力」
マーケットを構成する7つの要素。
なぜ「取引される価値」を理解することが大事なのでしょうか?
それは、
「マーケット感覚とは、その市場で取引されている価値が理解できる能力」
だからです。

そもそも、価値とは何のことでしょうか?
価値とは、「そのものが、どれだけその人にとって役に立つか」ということです。
本書では、お米とスイカを例にして価値の説明をされており、非常に分かりやすかったので、紹介します。
ある都市には、米を売る人とスイカを売る人が、それぞれ1人しかいませんでした。
米を売る人は米の市場を独占できているので、米の値段を高くしても消費者が買ってくれます。
スイカを売る人もスイカの市場を独占できているので、スイカの値段を高くしようとしますが、消費者は買ってくれません。
同じ市場の独占状態にあるのに、なぜ消費者の行動に差があるのでしょうか?
その答えは、米にはスイカにはない価値があるからです。
スイカにはない、米の価値とは
「食卓にとって不可欠な主食」です。

米もスイカも同じ食べ物ですが、スイカは食べれなくなっても困りません。
(「スイカが食べられない世の中では生きていけない」という人には、会ったことがありません。)
スイカの価値は「デザートや嗜好品としての価値」です。
スイカが高くて買えない時は
「もっと安いリンゴやバナナを買えばいい」
「そもそもデザートを買わない」
という選択もとれます。
しかし、米は食べられないと食事が成り立たない食品であり、高いからと言って買わないわけにはいきません。他の食材では代替できない価値を持っているのです。
このように、米の持つ価値を正しく認識すると、「なぜ米が高く売れるのか」が分かります。
反対に米の正しい価値に気付かないと、スイカの値段を高くして全然売れなくなってしまいます。
マーケットで売っている/買っている商品名(米やスイカ)を知っていても、そのものが持っている価値を正しく認識できている人は、意外と少ないのではないでしょうか。
市場で売られているのは商品名ズバリのものではなく、何らかの価値なのです。
「自分はどんな価値を売っているのか/買っているのか」を正しく認識する能力こそ、「マーケット感覚」なのです。
なぜマーケット感覚が求められるのか
ここまで、マーケット感覚について説明しました。
ここからは、
「なぜマーケット感覚が必要な能力なのか」紹介します。
社会の市場化で変化するルール
マーケット感覚が必要な理由、1つ目は「社会の市場化でルールが変わっているから」です。
社会の市場化(マーケット化)とは、社会のあらゆるモノがマーケット化するということです。
インターネットの登場で、「社会の市場化(マーケット化)」が進んでいます。

身近なマーケットの例に挙げた「就職活動」も、インターネットの登場でマーケット化したことの1つです。
昔の就職活動といえば、大学の先輩社員が母校を訪ねて、自身の後輩を採用する「相対取引」が中心でした。
「相対取引」とは、自分で取引相手を探し、個別に交渉をして取引する方法で、売り手も買い手も特定の相手(就職活動の場合、親や先輩のツテ)としかマッチングされません。
しかし、インターネットの登場によって就職活動はマーケット化しました。
インターネットを利用して、労働者と企業をマッチングするシステムが登場したからです。
労働者は複数の企業から、自分に合った企業を選択できるようになりました。
インターネットの登場によって、特定の相手同士のマッチング(取引)だった就職活動が、不特定多数のマッチング可能なマーケット化したのです。
就職活動のマーケット化と聞くと、働き手の選択肢が増えて、いいことのように思えるかもしれませんが、いいことだけではありません。
従来の「相対取引」の時からルールが変わっているのです。
それまで企業は、地元で1番やある国で1番であれば、働き手に困りませんでした。
しかし、インターネットの登場によって、働き手に選択肢ができたことで、今までのルール(特定の場所で1番)だけでは、労働者確保が出来なくなりました。
これからは、働き手が企業に求める価値を見つけ、新しいルールの中で労働者を確保する必要があるのです。
インターネットの登場による「社会の市場化」は就職活動だけではありません。
これからの社会は、どんどん市場化していきます。
「何が求められる価値なのか」この問題の答えを見つけられる「マーケット感覚」は、これからの時代に必要とされる能力なのです。
売れる価値に気付く-エジソンとテスラから学ぶ,、売れる価値の重要性-

マーケット感覚を学ぶ意味の2つ目は、売れる価値に気付けるからです。
「マーケット感覚とは、その市場で取引されている価値が理解できる能力」
とお伝えした通り、マーケット感覚が身に付けば、売れる「価値」が分かります。
反対に、
どんなに優れた商品や技術を開発しても、その商品の価値に気付かない=マーケット感覚が無ければ、世の中に受け入れられることはありません。
価値に気付くことの重要性を、2人の偉人から見てみましょう。
電気に関わる発明に携わった、エジソンとテスラです。
共に偉大な発明家ですが、エジソンは名声と莫大な利益を得た一方、テスラは長らく名声も利益も得られませんでした。
2人の運命を分けたものこそ「マーケット感覚」です。
”発明王”と呼ばれ、1,000を超える発明をしたエジソンには、マーケット感覚がありました。

By Louis Bachrach, Bachrach Studios, restored by Michel Vuijlsteke - This image is available from the United States Library of Congress's Prints and Photographs divisionunder the digital ID cph.3c05139.This tag does not indicate the copyright status of the attached work. A normal copyright tag is still required. See Commons:Licensing., Public Domain, Link
トーマス・アルバ・エジソン(1847-1931)
エジソンは常に、「どうすれば利益を得られるのか」を考えて、発明を行っていました。
例えば、エジソンが開発したパンを焼くトースター。
トースターを発売した当初は、まったく売れなかったそうです。
そこでエジソンがとった行動が、トースターに新たな価値を付けることです。
エジソンはトースターに価値を付けるために、次のような宣伝をします。
・1日3食摂ると健康にいい(当時は1日2食が普通でした)
・3食の中でも、朝ごはんでパンを食べることが健康にいい
「あの天才発明家エジソンが言うのだから間違いない」ということで、
朝食べるパンを焼くためのトースター、がバカ売れしたそうです。
エジソンはトースターに、
ただのパンを焼く機械から、「健康にいい朝食のパンを食べられる」という、売れるための新たな価値を追加したのです。
エジソンのマーケット感覚が分かる事例です。
つづいては、エジソンのライバル、テスラです。
ナポレオン・サロニー - Marc Seifer Archive, パブリック・ドメイン, リンクによる
二コラ・テスラ(1856-1943)
テスラは、エジソンのもとで働いていましたが、発電システムに対する考え方の違いで独立します。
交流電流を発明し、エジソンとの電流戦争(電気の送電に直流を使うか、交流を使うか争った出来事)で勝利した、エジソンに負けず劣らずの天才発明家です。
テスラには天才的な頭脳がありましたが、マーケット感覚がなく、せっかくの発明を世の中に売ることができませんでした。
いま私たちの家や会社に届いている交流を発明したのに、あまり名前が知られていない少しかわいそうな人です。
偉大な発明家エジソンとテスラの比較から分かるように、
どんなに優れた商品を開発しても、その商品の価値を正しく認識していないと、世の中に知られることはありません。
売れるために必要なのは、知識ではなくマーケット感覚なのです。
マーケット感覚を鍛える5つの方法
ここまで、「マーケット感覚とは何か」、「なぜマーケット感覚が必要なのか」を話してきました。
最後に本書で紹介されている、マーケット感覚を鍛える5つの方法をご紹介します。
- プライシング能力を身につける
- インセンティブシステムを理解する
- 市場に評価される方法を学ぶ
- 失敗と成功の関係を理解する
- 市場性の高い環境に身を置く
全部を紹介するのは大変なので(笑)、私が特に大事だと思う2つを紹介します。
プライシング能力を身につけよう
プライシングとは「価格設定」のことですが、本書では、
「自分の基準で、妥当な価値を判断する」ことを指します。

「マーケット感覚とは、その市場で取引されている価値が理解できる能力」
ですので、”もの”の妥当な価値が判断できる「プライシング能力」が身に付けば、マーケット感覚を鍛えることができます。
このプライシング能力ですが、私は本書を読む前から実践していることに気付きました。
私は上司から「このペンはいくらだと思う」と、質問を投げかけられます。
ペンに限らず、手元にある消しゴムやメガネ、時には”噛んでいるガム”なんてこともありました。
その時は、「こんなことを聞いて何の役に立つんだ」と思っていましたが、今ではプライシング能力を鍛えられていたことが分かりました。
値札を見れば、ペンは100円、ガムは120円などと判断できますが、
「自分ならいくらで買うか?」という、”もの”の価値を自分で判断するのは意外と難しいです。
また、消しゴムやペンのように、値段がすでにつけられているもの以外にも価値があるものがあります。
まだ世の中に出ていない新商品や新たなサービスなど、そもそも誰にも知られていない価値があるものもあるでしょう。
プライシング能力を身につければ、潜在的に価値があるものを見つけられる「マーケット感覚」が鍛えられるのです。
市場に評価される方法を学ぼう
「社会の市場化」で説明した通り、インターネットの登場によって、世の中はあらゆるものが市場化(マーケット化)しています。
市場化によって、今までは特定の組織や範囲で評価されば良かったものが、より広い範囲からの評価にさらされています。
そんなマーケット化する世界で重要なのが、「やってから決める」です。

市場での評価は人によって異なるのはもちろん、同じ人でも評価する時期によって異なります。
価値を見つけるのはもちろんですが、市場に評価されるにはまずはやってみて、評価されたらそれをさらに続けるという姿勢が重要です。
何かのきっかけで、急に市場に認められることもあるのですから。
市場という環境では、慎重にやる人よりも、とりあえずやってみる人の方が得られるチャンスは格段に多いです。
私も、ブログを始める前に「どんな価値を読者に届けられるのか」を考えました。
2年間以上(笑)寝かしたブログですが、まずはやってみよう!と思ったことで、こうして皆さんに届いているのです。
最後に
最後に、『マーケット感覚を身につけよう』から学んだ、言葉を紹介します。
「変わらなければ替えられる」です。
「マーケット感覚がなぜ必要か」でお伝えした通り、インターネットの登場によって、「社会の市場化(マーケット化)」が急速に進んでいます。
今後もAIの進化によって、社会の市場化はますます進むことでしょう。
そんな市場化する社会で、「専門知識があれば安泰」「今までと同じ相手に同じものを売り続ければいい」ということは通じません。
また、「自分には何の価値もない」そんなことを言っていても始まりません。
「変わらないものや人は、外部によって強制的に淘汰され替えられてしまいます」
マーケット感覚を身につけ、「誰も知らない自分の価値」に気付く人が増えることを願っています。
