こんにちは。ドムドムです。
読んだ本の紹介です(アルカディア号の組み立てはなぜかやる気が起こらず、趣味の読書に逃げております)。
今回紹介する本は『マンガでわかる地政学』です。1冊目に紹介した本とはガラリと変わり、題名通り地政学についての本です。地政学?なにそれと思われるかもしれませんが、本書ではマンガで分かりやすく紹介されており、地政学の取っ掛かりになる本です。
地政学が分かれば、最近のウクライナとロシアの戦争はどうして起こっているのか、アメリカが世界のトップである理由などなど、世界情勢を理解するのに役立ちます。本書を読むまでは地政学という言葉すら知らなかったですが、今ではアメリカは地政学的に恵まれてるから最強なんだと、腑に落ちて理解できました。また、色々な国についてもっと知りたい!と思う原動力となっています。私は歴史(特に戦史)が好きなのですが、戦争を起こした目的が、その国の地形的に置かれた状況で説明できる、地政学という学問が歴史好きには是非とも広まって欲しいと思います。
私が本書を通して知った面白い、地政学についてご紹介します。
目次
本の概要
タイトル:マンガでわかる地政学
著者:茂木 誠
地政学って何?
そもそも地政学とは何か。本書では、”地形によって、国と国との関係がどう変わるのかを考える学問”と紹介されています。私は国の置かれた地形によって、その国の行動原理が説明できるすごい学問と勝手に解釈しています。隣国はどんな国か、海や山があるのかといった、国の地形的に置かれた状況から、その国の歴史・未来が考えられるわけです。
本書では、アメリカ・中国・フランス・ロシア・日本といった私にとってメジャーな国からベトナム・ブラジルなどあまり馴染みのない国について地政学の観点から考察しています。
地政学の基本
地政学には「隣接する国は対立する(仲が悪い)」「敵の敵は味方」という考え方があります。
「隣接する国は対立する(仲が悪い)」
現在戦争をしているウクライナ×ロシア、2度も世界大戦で戦ったドイツ×フランス、何かと話題になる日韓問題、なぜこれらの国は仲が悪いのか。それは国同士が隣にあるからです。陸続きで隣国と接している国であれば、移民が入ってきたり隣国に行くことも簡単にでき、その国の悪いところが見えるわけです。反対に地球の裏側にある国、日本で例えるとブラジルあたりですが、サッカーが強い程度のことしか知りません(私は)。仲が悪くならなくとも、隣にジャイアンのような国があったら、スネ夫のようにご機嫌取りをする必要があります。少なくとも、隣国と無関係ではいられないのです。
ウクライナが現在の南アフリカにあれば、ロシアと戦争することなどまずないでしょう。日本が南アフリカにあれば、韓国?どこにある国だ?となるはずです。人間社会でもそうですが、隣にいなければ気にもしない。当たり前のことですが、地政学では非常に重要な考え方です。
「敵の敵は味方」
これも非常にシンプルな考え方です。共通の敵がいるんだから、味方だよねということです。ただし、共通の敵がいなくなったら大変です。第二次世界大戦ではドイツという強力な敵がいたから思想は違うけど、アメリカとソ連(現在のロシア)は味方であったのです。ドイツの敗北によって共通の敵がいなくなったら、冷戦時代に突入。味方ではなくなりました。自国にとって利益になる場合のみ、味方だよという考え方です。
イギリスには「永遠の友も、永遠の敵もない。あるのは永遠の利益のみ」という格言があります。利益を求めて常に味方を変えているイギリスらしい格言だと思います。その国にとって巨大な敵が現れたら、巨大な敵の”敵”を味方にすればいいのです。
地政学の観点から見た国の紹介
本書では様々な国を地政学の観点から見ていますが、その中から2つの国について紹介します。
①アメリカ
まずはアメリカ。経済力・軍事力で世界トップのアメリカですが、なんでそん
なに力があるのか?そんな疑問に地政学はスムーズに答えてくれます。それはアメリカが”世界一巨大な島”だから。陸続きで隣国と接している場合、国境沿いには常に兵力を展開する必要があります。島であれば、海という巨大な防波堤があり、本土を守る兵力が少なくでき、余剰分を海外に展開できるわけです。
アメリカって島?太平洋と大西洋と接しているけど、カナダやメキシコと陸続きじゃないか。と思うことでしょう。しかし、カナダもメキシコも軍事費がアメリカの1/40程度。アメリカに戦争を吹っ掛けるのは自国を滅ぼすことになります。そのため、アメリカは隣国を気にすることなく世界に目を向けることが出来るのです。
同じ島国であるイギリスが世界の四分の一を支配できたのも、ヨーロッパから分離している島国であったからです。(第二次世界大戦でイギリスの首相チャーチルは”ドーバー海峡は100万の軍隊に匹敵する”と言っています。)
イギリスより国土が広く、大西洋・太平洋に隣接するアメリカが世界のトップであるのは地理的必然性なのです。
②ブラジル
北アメリカ大陸のアメリカが”島国”で世界のトップなら、南アメリカのブラジルはどうなのか。
アメリカと似て大きな国土、人口も2億人、おまけに天然資源も豊富にあります。これは第二のアメリカか!と思いますが、同じ島にアルゼンチンという強力なライバルがいて何度か戦争をしています。加えて、太平洋へのアクセスが悪いという面もあります。太平洋へ出るにはドレーク海峡を通るか、パナマ運河、喜望峰を通る必要があります。ドレーク海峡は波が荒く、商船は通れません。パナマ運河は通れる商船のサイズに制限があります。喜望峰を通るルートは太平洋へ出るまでに日数がかかります。隣国を気にする必要があり、太平洋へ出ることもアメリカより難しい。
地理的に似たような国でもちょっとした地形の違いや、隣国によって立ち位置に大きな違いがあります。本書を読むまではドレーク海峡は波が荒いことなど知りませんでした。地図で見ると海を示す青色で塗られているので、そこ(海)を通ればいいじゃないと思っていましたが、海流の強さもその国の内情を知る重要なキーワードになるわけです。
最後に
”地形は半永久的に不変である以上、地政学とは無縁ではない”と本書では地政学を学ぶ重要性を訴えています。
地政学について知ることで、地形条件によって国土は広いけど人口が少ない、海はないけど山が川があるといった、その国独自の魅力や抱えている問題に気付くことが出来ます。また、日本も島国だけどどういった地形的強みがあるのか、を自分なりに考えるのも面白いです。
ただの歴史好きから一歩上に行ける本ですので、どうぞ読んでみて頂きたいと思います。
