持たざる者ドムドム、本を読む

『持たざる者こそ本を読め』をモットーに、本の紹介をしています

「本は名言であふれてる」その3 『サピエンス全史』に登場する言葉

掲載日:2025/7/14

 

皆さんこんにちは。ドムドムです。
読書と本の収集が趣味で、主に?おすすめの本の紹介をしています。

 

 

今回は、本の中に登場する言葉の紹介です。

私が読んだ本の中から、心が動かされたり、目を引いた言葉を紹介します。

 

 

 

 

 

 

◆目次◆

 

本は名言であふれてる

 

本には、著者が読者に「伝えたいこと」が書かれています

 

伝えたいことは

・人生で培ってきた経験や知識

・自分が考えたこと

・趣味の押し売り

など著者によって異なりますが、本を手に取った読者に「伝えたい」という強い思いがあるからこそ、本として世の中に出てくるのです。

 

本は思いを言葉にして伝えるツールであり、様々する言葉も様々です。

読者に思いを伝えるために言い回しを工夫したり、たとえ話やことわざ、偉人のエピソードや名言が引用されます。

 

本を読むことで普段の会話で使える言い回しや、座右の銘になるような名言、本を読まなければ知りえなかった言葉に出会えます。

そうして得た言葉は、読者を支えてくれる存在になります。

 

紹介の仕方。

 

■言葉の出所

言葉が書いてある本(著者. 本の題名. 出版社,言葉が書いてあるページ)

※過去にブログで紹介した本には、本の題名にリンクが張ってあります

紹介する言葉

 

 

 

 

取り上げる本

本の名言の紹介3回目となる今回は、1冊の本から名言を取り上げます。

本の名前は、

『サピエンス全史』

全世界で2,500万部、日本でも150万部売り上げている有名な本なので、名前を聞いたことがある方が多いと思います。

 

・タイトル:サピエンス全史

・著者:ユヴァル・ノア・ハラリ

・ページ数:267ページ(上)、294ページ(下)

 

内容としては、人類がどのように進化・繁栄してきたのかを、宇宙のなりたちから壮大なスケールで解説しています。

本書では人類が繁栄できた出来事として、「認知革命」「農業革命」「科学革命」の3つを挙げています。

詳細は未来の自分にブログで取り上げてもらうので省きますが、人類の歴史を紐解き、これからどこへ向かうのか、幸せに向かっているのかといった普遍的な問いに向き合っている、中身が濃い1冊です。

 

本書は人類史がテーマであるだけに、国家・宗教・貨幣・法律など、多岐にわたる分野にまたがった考察がされており、「人間とは何か?」といった刺さる名言が数多く登場します。

また、過去の偉人の言葉がところどころ引用されており、新しい言葉に出会うことができる1冊です。

 

名言の紹介

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者):なぜ歴史を研究するのか?

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.48)

私たちはなぜ歴史を研究するのか?

物理学や経済学とは違い、歴史は正確な予想をするための手段ではない。

歴史を研究するのは、未来を知るためではなく、視野を拡げ、現在の私たちの状況は自然なものでも必然的なものでもなく、したがって私たちの前には、想像しているよりもずっと多くの可能性があることを理解するためなのだ。

歴史を研究する意味を説明した言葉。

多くの学者や知識人が「なぜ歴史を学ぶのか」について意見を述べていますが、「未来を予測するのではなく、視野を拡げることで可能性に気付くこと」だという捉え方は斬新だと思います。

ちなみに私は、「なぜ歴史を学ぶのか?」と聞かれたら

「愚者は経験から学び、賢者は過去から学ぶ」

と答えます(質問に対する答えになっていませんが)

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.183)

お金はお金のある人の所に行き、貧困は貧困を招く。

教育が教育を呼び、無知は無知を誘う。

いったん歴史の犠牲になった人々は、再び犠牲にされやすい。

逆に、歴史に優遇された人々は、再び優遇されやすい。

過ごしている環境によって、抗いがたい運命を受け入れざるを得ない現実を言い表した言葉。

医者の子供は医者になり、貧乏人の子供はやはり貧乏な家庭になる事が多いのも事実。

しかし、イギリスの軍人”ジョン・チャーチル(マールバラ公)”が、「君は誰の子孫か?」と問われた際に返した、

「私は子孫ではない。先祖だ」と言えるように、自分の運命は自分で決めたいものです。

マールバラ公の子孫には、イギリス首相”ウィンストン・チャーチル”、イギリス皇太子妃”ダイアナ・スペンサー”など、まさしく先祖になったのです。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.47)

予想可能な革命はけっして勃発しない。

フランス革命やロシア革命など、歴史を国家を動かした革命は数多いです。

そんな国家転覆ともいえる革命を政府が予想していたら、決して起らなかったという意味。

革命は予測不可能だから勃発したとも言えます。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.48)

効力を持つような物語を語るのは楽ではない。

難しいのは、物語を語ること自体ではなく、あらゆる人を納得させ、誰からも信じてもらうことだ。

歴史の大半は、どうやって厖大な数の人を納得させ、神、あるいは国民、あるいは有限責任会社にまつわる特定の物語を彼らに信じてもらうかという問題を軸に展開してきた。

本書に登場する「なぜホモサピエンスだけが繫栄したのか」に対する1つの答えである、「認知革命」に登場する言葉。

人類は「嘘をつき、嘘を信じられた」から、集団で協力し、繁栄できたと著者は考えます。

宗教や貨幣、国家など、人類が1つの目標に向かうために必要な存在ですが、本当には存在しない「虚構(嘘)」です。

でも、嘘をみんなで信じているからこそ、人類は互いに協力して繫栄できたのです。

人類は噓つきの集団である?

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.56)

私たちとチンパンジーとの真の違いは、多数の個体や家族、集団を結びつける神話という接着剤だ。

この接着剤こそが、私たちを万物の支配者に仕立てたのだ。

チンパンジーと私たちホモサピエンスとの違いについての一言。

人間とチンパンジーは驚くほど似ており、10人程度の集団では違いはほとんどないそうです。

チンパンジーとの違いは、150を超える集団になった時に現れます。

人間はいっしょになると、単独では生みえなかった整然とした組織を生み出すのです。

 

 

 

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.78)

彼らがどのような物語を語っていたかを私たちは知らない。

遺跡から発掘される、壁画や死者が身につけた装束品からは、分かることはあまりないことを言い表した一言。

歴史学者の磯田教授が、考古学者は遺物からよくわからない「不思議な道具」を発見した場合、「おまじないの道具だろう」と片付けてしまうと言っていたのを思い出しました。

すごい絵に見える壁画も、実際は子供の落書きだったりするんでしょうか。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.105)

私たちの心が狩猟採集民のものであるなら、料理は古代の農耕民のものと言える。

目に留まった一言。

心は○○だと言っている。だけど、頭は○○だ!みたいな言い回し好きなんですよね。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.116)

より楽な暮らしを求めたら、大きな苦難を呼び込んでしまった。

人類の繁栄のキッカケ「農業革命」での言葉。

楽な暮らしと言うのは、田畑を耕す農耕生活のこと。

小麦・稲の栽培といった「農業革命」によって、野生動物を狩猟し、木の実やキノコを採集する「狩猟採集生活」とは別れを告げ、人口増加につながりました。

 

田畑を耕す農耕生活は、狩猟採集生活よりも安定していて、悪い点が無いように見えますが、大きな落とし穴(苦難)があったのです。

それが、「未来への不安」です。

 

今日を生きられる食べ物があればいい「狩猟採集生活」とは違い、作物を得るためには天候を心配したり、定期的に田畑を耕し、水をあげ世話をしなければいけません。

安定した生活の裏には、大きな苦難「未来への不安」が隣り合わせなのです。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.141)

生物学には権利などというものもない。

あるのは器官や能力や特徴だけだ。

鳥は飛ぶ権利があるからではなく翼があるから飛ぶ。

「人生に価値はない」といった哲学者のニーチェを思わせる一言。

 

■ヴォルテール(フランスの哲学者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.143)

神などいないが、私の召使には教えないでくれ。

さもないと、彼に夜中に殺されかねないから。

多くの本に引用される、哲学者ヴォルテールの言葉。

神様という虚構を信じないと、たちまち秩序が無くなってしまうことを説明しています。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.155)

女王バチは掃除係のハチを騙して食べ物を巻き上げたりしないし、掃除係のハチたちも賃上げを要求してストライキを始めたりはしない。

だが人間は、そうしたことを四六時中やっている。

DNAに刻まれた情報によって秩序だった生き方をする動物と、想像によって社会秩序を作る人間との違いをハチを例にしています。

 

■エルナン・コルテス(スペインのコンキスタドール(アステカ帝国の征服者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 上. 河出書房, 2020, p.215)

なぜなら、私も仲間たちも心臓の病にかかっており、金でしか治せないからだ。

アステカ帝国を征服したコルテスに、原住民が「なぜそれほど金に執着するのか」尋ねた時の回答。

 

 

 

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.24)

一神教は秩序を説明できるが、悪に当惑してしまう。

二元論は悪を説明できるが、秩序に悩んでしまう。

この謎を論理的に解決する方法が一つだけある。

全宇宙を想像した単一の全能の絶対神がいて、その神は悪である、と主張するのだ。

だが、そんな信念を抱く気になった人は、史上一人もいない。

 

■ロバート・オッペンハイマー(アメリカの物理学者、原爆の父)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.53)

今や我は死神、世界の破壊者となれり。

1945年7月16日。

世界初の原子爆弾が爆発してから8秒後に、原爆を開発した”オッペンハイマー”が発した言葉。

ヒンデゥー教の聖典「バガヴァッド・ギーター」からの引用。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.64)

従来の伝統はたいてい、自らの説を物語の形で組み立てた。

一方、近代科学は数学を使う。

一方○○という言い回しは、「一方ロシアは鉛筆を使った」を思い出します。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者):知識について

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.70)

真の価値は有用性にある。

新しいことを可能にしてくれる理論こそが知識なのだ。

知識の価値は真実かどうかではなく、「有用かどうか」で決まると言ってます。

確かに役に立たない真実よりも、役に立つ嘘を知っている方がよっぽど役に立ちます。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.80)

死は避けようのない宿命ではなく、たんなる技術上の問題だ。

近代技術によって、死すらも克服できる時代の到来を預言する言葉。

 

■ヨーロッパの兵士の言葉

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.96)

どう転んでも、俺達には機関銃があるが、やつらは持ってない。

敵対するアフリカ人に対して、ヨーロッパの兵士たちがよく使った言葉です。

映画のワンシーンに登場しそうなセリフ。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.199)

消費するものによって定義される。

ベジタリアンのドイツ人は、肉好きのドイツ人よりも、ベジタリアンのフランス人を結婚相手に選ぶだろう。

人間のコニュニティーは、人種ではなく「何を消費するか」で決まるとした言葉。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者):真の平和について

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.208)

真の平和とはたんに戦争のないことではなく、戦争勃発の見込みがないことを意味する。

-(中略)-

隣り合う二政体には必ず、一年以内に戦火を交えることになってもおかしくない筋書きが存在する。

真の平和とは何か?の章に登場する言葉。

「真の平和とは戦争のないことではなく、戦争勃発の見込みがないこと」としたうえで、

近代以前には、隣り合う国には戦争が起こる筋書きがあり、弱肉強食の世界だったと続けています。

 

戦争勃発のシナリオと言うと、1920年代のアメリカが主要国との戦争勃発を想定した戦争計画(カラーコード戦争計画)を検討していたことを思い出しました。対日本(オレンジ計画)や中国(イエロー計画)、対イギリス(レッド計画)などあらゆる主要国との戦争を想定していたことが分かります。

 

■ニューエイジのスローガン

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.231)

幸せは身の内より発する。

幸せだと感じるのは、お金や地位があるからではなく、精神物質のドーパミンやオキシトシンからのみ生じることを表現しています。

幸せなのはただ、脳内物質が放出されているだけと言うと、なんだか味気ないですね。

 

■ユヴァル・ノア・ハラリ(イスラエルの歴史学者、本の著者)

(ユヴァル・ノア・ハラリ. サピエンス全史 下. 河出書房, 2020, p.265)

自分が何を望んでいるのかもわからない、不満で無責任な神々ほど危険なものがあるだろうか?

あとがきの最後の言葉。

本書を読み切った後に、大きな問いかけとして読者に投げかけられる一言。

是非、『サピエンス全史』を読破して、この言葉にたどり着いてほしいです。