皆さんこんにちは。ドムドムです。
読書と本の収集が趣味で、おすすめの本の紹介をしています。
今回は、本の中に登場する言葉の紹介です。
私が読んだ本の中から、心が動かされたり、目を引いた言葉を紹介します。
本は名言であふれてる

本には、著者が読者に「伝えたいこと」が書かれています。
伝えたいことは
・人生で培ってきた経験や知識
・自分が考えたこと
・趣味の押し売り
など著者によって異なりますが、本を手に取った読者に「伝えたい」という強い思いがあるからこそ、本として世の中に出てくるのです。
本は思いを言葉にして伝えるツールであり、様々する言葉も様々です。
読者に思いを伝えるために言い回しを工夫したり、たとえ話やことわざ、偉人のエピソードや名言が引用されます。
本を読むことで普段の会話で使える言い回しや、座右の銘になるような名言、本を読まなければ知りえなかった言葉に出会えます。
そうして得た言葉は、読者を支えてくれる存在になります。
紹介の仕方。
■言葉の出所
言葉が書いてある本(著者. 本の題名. 出版社,言葉が書いてあるページ)
※読みやすさを重視して、ひらがなを漢字に変換している箇所があります
取り上げる本
今回は、1冊の本に登場する言葉を取り上げます。
本の名前は、『世界最悪の旅』
- タイトル:世界最悪の旅
- 著者:チェリー・ガラード
- 訳者:加納 一郎
- ページ数:312ページ
本書は、スコット率いるイギリス南極探検隊が行った「南極探検」について書かれた本です。
本書を通して、著者のチェリー・ガラードは実際に探検に参加した南極探検の事実を、誇張することなく臨場感あふれる言葉使いで読者に伝えてくれます。
最低気温-60℃の世界での生活、日が昇らない真っ暗闇での探検など、南極探検で経験したことから、なぜ命の危険を冒してまで探検をするのか、知識を後世に伝承する意味といった生き方・人生訓も学ぶことができる1冊です。
本書の内容は、ブログで紹介していますので、見て頂ければ嬉しいです。
名言の紹介
南極探検の恐ろしさが分かる言葉
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p148)
南極探検は人々が想像する程ひどいことはめったにないものであるし、うわさほどに悪絶なこともまれである。
しかしながらこの旅行はわれられの文章の及ぶところではなかった。
いかなる言葉もその恐ろしさを表現することはできない。
地獄のような苦しさ、死ぬくらい恐ろしい体験だったといった言葉ではなく、「いかなる言葉でも表現できない」と事実を伝えることで、いっそう南極探検の恐ろしさが感じられます。
■ロバート・スコット(イギリスの軍人、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p201)
(中略)
吹きあるる風、気温マイナス二九度。
しかも妙に湿っぽく、寒威はたえず骨にまで透徹し
・・・神よ!こは恐ろしき場所なり。
南極点に着いたスコット(イギリス南極探検隊のリーダ)が日記に綴った言葉。
「神よ!こは恐ろしき場所なり」。
数々の苦労が伺える、心からの叫びのように感じられます。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p266)
われわれ自身は次から次へと困難に直面してやっと窮地を脱したのであって、これ以上は何も望まなかった。
もうこりごりであった。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p274)
私はまたとここを見ようとは思わなかった。
楽しい思い出はみな悪い記憶のためにうち消されてしまっている。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p8)
なにごとも、うまくやろうと思ったところで、事はそうそううまく運ぶものではない。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p252)
もとより事のすべては「もしも」だらけである。
イギリス南極探検隊は、スコット含めて多くの隊員が命を落とします。
本書では、南極探検という命の危険がある行為に対して、様々な理由付けがされていて、彼らの犠牲が無駄ではなかったと思いますが、悲壮感が漂う言葉も多く使われており、いっそう読者に南極探検の厳しさを伝えます。
南極での生活が分かる言葉
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p84)
面倒なのは、寝袋に入ってからである。寒気がとても激しいから、息をする孔をあけてはおけない。
従って、終夜われわれの息は毛皮に凍りつき、寝袋の中の空気はおいおいと汚れてくるとともに、いよいよ呼吸は激しくなってくる。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p107)
このソリ旅行では、はじめから終わりまで実にいろいろなことに出会った。そこには(中略)単調さというものはまったくなかった。
ただ一つだけ恐ろしい寝袋に横たわっている間、この低温の毎夜毎夜を、毎時毎時をふるえていなければならなかったこと、それだけが単調なものであったと言える。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p87)
またしてもまたしても身体がふるえてきて、どうしても止めることができなかった。
それが数十分も続くのであるから、ある時など私の背中が裂けたのではないかと思うくらいに、そこに痛みが感じられた。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p146)
病人であろうと健康な人であろうと、このような寝袋のなかで寒さのためにガタガタふるえ、ほとんど背中が裂けるかと思うくらいつらい目にあった我々以上にひどい目にあった人はあるまいと思う。
著者は南極探検で最もつらかったのは睡眠の時間であったと、何度も何度も様々な表現で伝えています。
暖かい布団のありがたみを実感できる言葉だらけですが、背中が裂ける痛みとはいかほどの痛みなのでしょうか?
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p105)
もし我々が鉛の着物を着ていたら、これよりもっとたやすく腕や首や頭を動かすことができるであろう。
冬の平均気温が-40℃になる南極では、あらゆる水分はあっという間に凍ってしまいます。
それは呼吸や発汗といった、生理現象によって発生する水分も例外ではありません。
呼吸や発汗による水分は衣服を凍らせ、衣服はまるで装甲板のように固くなって身動きができなくなるのです。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p72)
氷の方が石炭より多い土地では水はたやすく手に入れることはできない。
氷に閉ざされた南極では、「水がなければ氷を溶かして飲めばいいじゃない」なんてことはできません。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p109)
砂糖なしというのは目に見えて日ましに募る不快なことである。
読者は夢の間も忘れがたい糖分の欠乏にあったことがあるだろうか。
これはやりきれないものである。
皆さんは夢の中に食欲に関するものが登場したことはありますか?
私は幸いにもありません。
未来の探検家に向けて
■ロバート・スコット(イギリスの軍人、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p36)
極地旅行の報告を執筆する第一の目的は、将来の旅行者のための手引きとするにあり。
執筆者の第一の責務は彼の後続者にたいして果さるべきものである。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p36)
本当に大切なのは経験によって得たものを一つとして失ってはならないことである。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p11)
探検の途にのぼるときには私は本など書こうとは思わなかった。
いなむしろ私はそのようなことをするのは、下らぬ名声のみを追求するものであると軽視し、私は何も言わぬことにしていた。
しかしながら何も言わぬのは実際言うことが何もない場合か、言うべき手段を見つけるのに怠慢であるか、多忙である場合が多いのである。
誰でもこのような異常特別の経験をした者は言うべき多くのものを持ち、またその道においてなんらかの才能があつ以上はむしろ言うべきが至当である。
■アルフレッド・テニスン(イギリスの詩人)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p274)
努力し、探索し、発見し、しかして屈することなく。
■石川直樹(日本の写真家、登山家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p312)
この本には、人生のあらゆる局面を生き抜くためのヒントが溢れている。
結局人間の歴史がこれほど発達したのは、「知の伝承」があったからではないかと思います。
知の伝承のためには、つらい経験を思い出す必要があり、特に戦争や災害の経験などは思い出すだけでも経験者には苦痛だと思います。
しかし、同じことを繰り返さない、前より良くするためにも知の伝承は続けていく必要はあるでしょう。
私は伝承できる知を求め、今日も本を読んでいます。
南極探検で得たこと
■ヘンリー・ボワーズ(イギリスの軍人、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, 87)
食欲がいい間は、だれもみな調子が良いのだと私は思う。
結局のところ、どんな状況においても大事なのは睡眠、食事だと思います。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p170)
お天道さまには二日と同じ日はない。
氷原の旅がいかに単調であるとはいっても、空には限りない変化があり、世界のどこへ行ったってこのように美しい色は見られないと思う。
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p164)
神は暗闇のなかの悪魔を追い散らすべくその光を送ってくれた。
冬は一日中太陽は昇らず、見渡す限りの氷という南極だからこそ、太陽のありがたみを痛切に感じたことでしょう。
美しい「景色」ではなく、美しい「色」と表現するところに、色のない暗闇から解放されたことへの喜びが感じられます。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p277)
いよいよ本国へと船首を向けた。
それは週をもって数え、日をもって数え、ついには時間をもって数えて待ちわびたことであった。
やっと本国へ帰れるという喜びがよく伝わる言葉です。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p271)
アデリー・ペンギンの生活はこの世の中で最も非キリスト教的なずるいものの一つである。
ペンギンを観察して飛び出た言葉。
ペンギン達は魚を捕らえるため海に入ろうと、岸の上に50匹ばかりが集まります。
しかし、一向に海に入る気配はなく、お互いに押し合いをしているばかり。
なぜこんなことをしてるかというと、ペンギンを襲うアザラシが待ち構えている海に一番乗りしたくないから。
自分が犠牲になるのは嫌だから、別のものを突き落とそうとしているというのです。
動物園ではよちよち歩きをしているかわいいペンギンにも、ずる賢さがあったとは、ペンギンを見る目が変わりました。
■チェリー・ガラード(イギリスの動物学者、探検家)
(チェリー・ガラード. 世界最悪の旅. 中公文庫, 2016, p281)
全てのものが燃やされた時には、もはや火をつけることは無用である。
なんとなくカッコいい言葉なので取り上げました。
